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改正実用新案法(2001年2月3日法律第6412号改正、同年7月1日施行)の施行前に出願された登録実用新案の場合においての訂正明細書等の補正の許容範囲 2007-10-25
2007年10月25日最高裁判例
改正実用新案法(2001年2月3日法律第6412号改正、同年7月1日施行)の施行前に出願された登録実用新案の場合においての訂正明細書等の補正の許容範囲
2005フ2526
前審判決破棄・差し戻し

 改正実用新案法(2001年2月3日法律第6412号で改正され同年7月1日施行。以下同一)施行日以降に実用新案の技術評価を行うに当たって、その施行日以降に出願された登録実用新案の場合は、改正特許法(2001年2月3日法律第6411号で改正され7月1日施行。以下同一)第140条第2項の定めにより訂正明細書等に対する補正が訂正請求趣旨の要旨を変更しない範囲内だけで認められているのに反して、上述の施行日前に出願された登録実用新案の場合、訂正明細書等に対する補正を無制限に認めているのは同一の法律(改正実用新案法)によって初めて訂正明細書などの補正が可能になる出願人を不合理に差別するものであって公平の原則に反する結果をもたらすようになり、また技術評価手続きにおいても、訂正請求は審査官の登録取消事由に対する意見書提出期間以内だけに可能なよう訂正請求の期間が制限されているところ{従来実用新案法(2001年2月3日法律第6412号で改正される前の法。以下同一)第27条第1項、第25条第3項}、訂正請求趣旨の要旨を変更する訂正明細書等の補正を認めるのは実質的に新たな訂正請求が可能なようにするものであり、これは訂正請求の期間を制限した法の趣旨を没却させる結果となり、一方で審査官は、補正された明細書等を対象に再審査をしても訂正を認めない場合、改めての意見書提出の機会を与えるために、訂正を認めない事由を記載した通知書を発送し、出願人もまた改めて訂正明細書等の補正書を提出する等、訂正請求が受け入れられるまで訂正明細書等の補正書提出が無限に反復され、行政上の大きな浪費を招き審査業務を混乱させるようになる可能性がある。
 かてて加えて、改正実用新案法付則第3項但書の第1号は、上記法施行日前に出願した実用新案の場合にも出願人に訂正明細書等の補正という手続きを与えるために例外的に用意された経過規定であって、従来の実用新案法によって提出された実用新案登録出願に基づいた技術評価と、改正実用新案法によって提出された実用新案登録出願に基づいた技術評価の間で訂正明細書等に対する補正範囲を違うように規定しようということに立法趣旨があるとは言い難い。従って上述の諸般の事情を考慮し、改正実用新案法施行日前に出願された登録実用新案に対して上記施行日以降に技術評価がなされる場合にあっても、改正特許法第140条第2項を類推適用して訂正明細書などの補正は当初の訂正請求趣旨の要旨を変更しない範囲内でだけ認められると解釈するのが妥当である。
   
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